最近、店以外で実演販売をすることがある。
普段はなかなか聞けないお客様の生の声が聞く事が出来て
とても勉強になる。

なかなかお客様とはちゃんと見ているもので少しのあんこの軟らかさ
生地の厚さなどいつもと少し変えるとすぐ反応がその場で返って来る。
嬉しい事も、意見などもその場でお客様から聞けるので実演販売は
嫌いではない。むしろ好きだと思う。

自分の作っているお菓子の原材料、特徴、菓名、云われなど
お客様に伝えたいことがたくさんある。

作りながらその説明をしてお客様に納得して買って貰えるので
お菓子も作りがいもある。


お客様から声をいただくこともある。
先日も苺どら焼きを食べたお客様から
「あんたのどこのは、どら焼きの生地が全然違う。しっとりしてる」
これは何気ないお褒めの言葉だが、実はとても深くて嬉しい言葉だった。

うちのどら焼きは砂糖、卵、小麦粉で作る。
どら焼きの基本の配合は三同割といって
砂糖、卵、小麦粉が同じ量で作るのがベースになってます。

各店でこれを少しずつ変えて店の特色を出して作っています。

ただ最近これに日持ちのためと食感のため乳化剤なるものが入っているものを良く見ます。
ここからは、個人的な主観になりますが
自分でもサンプルを使ってつくった事があります。

そのときの印象ではびっくりするくらい膨らみ、フワフワの生地が出来た記憶があります。
食べてもフワフワの生地が美味しく食べれました。

ただ、食べてからもともとお菓子を食べて胸焼けなどしたことはなかったのですが
それがあったのと、食感がどら焼きのそれとは完全に違うような気がしました。

といことでうちでは、昔からの「三同割」で今も作っています。
フワフワして美味しいどら焼き、そもそもこの表現が違和感を感じます。

最初にお客様にいわれた「しっとりしてる」という表現がまさにそれとは反対で
個人的にはしっくりきます。

修行時代よくお菓子を食べ歩きました。美味しいといわれるお店は大抵行って食べました。
今のようにネットなどまだ普及していない時代だったのですべてその場に行って
買って店から出るなりその場で食べるというのを良くやってました。

ただこれは美味いと思えるお菓子というのはなかなか無くて
いつも味見のため3分の1ほどずつ食べてあとは残すという感じで
お菓子屋巡りをしていました。

そんなお菓子屋巡りをしていてこれは美味いと思ったのが
「うさぎや」さんのどら焼きでした。

お菓子好きには有名なお店なので知ってる人も多いと思います。
ここのどら焼きは、軟らかい粒あんをフワフワではない
おそらく三同割であろう生地で挟んであるのですがトロトロの粒あんが
生地に絶妙になじんであんこの水分と生地の戻りでしっとりして
それでいてあんもトロトロをキープしている、初めてどら焼きって
美味しいなあと感動したものでした。あまりの感動でお土産も買って
帰ってきて食べ切れずに次の日に残して食べました。

すると、あんだけ昨日感動した味はすっかり変わってしまってました。
買う時に店員さんにその日のうちに食べて下さいと、
念押しされたのを思い出し後悔しました。

それからは、必ずその日のどら焼きはその日の中に食べ切る分だけ
買うように決めました。

今は、買う時に必ず日持ちを聞かれます。
当然ちゃんと当日限りです。と伝えます。


焼きあがった生地にあんこをつけて生地に餡の水分が移行して一番美味しい時間を賞味期限としたどら焼
きはフワフワではなくしっとりしてちゃんとあんこと一緒に食べて一つのどら焼きというお菓子になりま
す。

なんでもフワフワがうける時代ですが
しっとりどら焼きを作っていきたいと思います。

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