正月も過ぎて和菓子も、うぐいす餅、桜餅、蕨餅・・・etc
季節によってどんどん変化していきます。
この和菓子にとって一番大事なものは、なんでしょう?

季節感、見た目の美しさ、これらも大切な要素ですが私が一番大事だと思うのは食べて美味しい事です。
いくら見た目に綺麗でも美味しくなければ作る意味がありません。
もちろん季節感、見た目は必要です。

それに食べた時に小豆の香りや生地の歯ごたえや腰など、見た目以外のところで満足していただいて初めて作り手としては嬉しいものです。
なかでも和菓子の味を決める「餡」は特に大事です。

作る餡によって小豆の選び方、煮方その他の工程ひとつひとつ餡によって違います。
特にこし餡を作るのは大変です。

前日に小豆を洗い水に浸しておきます。一晩おいた小豆は水を吸ってだいぶ膨らんでいます。
その小豆を煮ていくと灰汁が出てきます。
灰汁が吹きこぼれる前にざるにあげて水で灰汁を洗い流します。
この工程を「渋切り」といいます。

渋切りを何回するかで餡のできも変わります。だいたい小豆と相談しながら、3回を基準にします。
小豆が新小豆(夏を越してない取れたての豆)かヒネ(夏を越した豆)かで渋切り回数も変わります。
新小豆の場合は皮が軟らかいので渋切りは少なめに、ヒネは皮が厚くなっているので多めに渋切りします。

渋切りをちゃんとした餡は色は淡い紫色で口溶けのいいあんこになります。
餡を作る工程で渋切りをして小豆を煮てから小豆を潰して小豆の皮と中身を分けます。
この時に細かい特注のメッシュで裏漉します。口溶けのいい餡を作るために完全に皮を取り除きます。

裏漉した中身を水と撹拌して沈澱したら上水をこぼします。
これを「晒し」といいます。渋切り同様この工程を何回するかで餡の味も変わります。

晒し終わったものを絞ったものを漉し粉といい、使う用途によって砂糖等と一緒に良く火を入れて練って
始めて漉し餡の完成です。

あんこを練るときの砂糖は鬼ザラメといわれる砂糖を使います。

この砂糖も各店で違いますがザラメの中でも一番大きい結晶のものなので灰汁が少なく食べてもいつまでも口の中に甘さが残りません。
よく切れのある甘さという表現をしますが、お菓子を食べてお茶を飲むと甘さがスーっと消えて茶の美味しさが引き立つように作っています。

「お茶請け」といいますがまさにお茶を引き立たせるためのお菓子でなければいけません。いつまでも甘さが残ってお茶で流し込むようなお菓子は私の考えるお茶請けではありません。

和菓子の命ともいえる「餡」はこのように作られてその用途に応じて柔らかさや配合を変えてすべて自家製餡して「美味しい和菓子」を作るために使われています。

和菓子を作る時、食べてもらうすべての人に美味しいと思って頂けるようにこのような細かい作業の繰り返しで作った「餡」を使い一つずつ手作りしてるのです。

こうやって作った和菓子が美味しくないはずがありません。
・・・と思って作ってます